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ロビンソンR22
軽飛行機の性能と経済性を目標として実現させた,革新的な2人乗りの小型レシプロへリコプター。
1973年に設計が始まり,1975年8月に早くも初飛行。1979年3月にはアメリカの型式証明を取り,1981年6月にはイギリスの承認を受け,デリバリーは1979年の10月から行われた。
1983年に150hpのアルファ(α),1985年160hpにパワーアップしたベータ(β)となり,ほぼ完成した。最近はより高度性能が向上したベータIIの生産が行われている。
型式証明以前に設計目標が評価され,350機に及ぶ発注があった。その後なかだるみはあったものの,世界的な経済構造の変化に乗って,爆発的に普及した。1999年時点で3000機を生産し,特に初級訓練機として不動の地位を獲得している。
主な用途は訓練や自家用機であるが,70Aの発電機と特殊な無線機,拡声器などを装備した警察用機,最大181kgまでのカーゴスリング型,ホッパータンクを装備した農薬機も用意されている。フロートを装備したR22マリーナもあり,より広い層の需要に応えることができる。
メインローターはシーソー式ながら独特のコーニング軸を持つ3軸なので,ハブはいたって簡略である。ブレードはNACA63-015層流翼型で,前縁はステンのD型スパー。それとアルミサンドイッチを外皮で覆って接着した全金属製である。先端後縁には固定タブが付けられている。テイルローターも全金属製の2枚ブレートで,フルモノコックのテイルブーム左側に装着されている。フラッピングはシーソー式で,軸は45°傾いたデルタヒンジボルト。
ベータのエンジンは定評のあるライカミングO-320-B2C,160hpを131hpに減格して使用する。装備方法は後ろ向き水平で,冷却は直結した遠心ファンで行う。Vベルトでクラッチシャフトを回しトランスミッションを駆動する。
胴体の強度部分はスチールパイプのトラス構造で,エンジン,スキッド,トランスミッションが付く。操縦席はサイドバイサイド。操縦装置は正副操縦士の操縦桿を1本で済ませる簡易型T型ハンドル。系統は超小型機ながら,すべてプッシュプルチューブである。 R22データ
参考文献:「2000年版民間ヘリコプターのすべて」
製造会社:Robinson Helicopter Company