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sent31-0907101215/戦争の遺伝子(0907) ......

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ローマの北西、中央イタリアで今年の1月から不気味に続く地震。今は止まったのだろうが、4月6日に大地震となり、300人近い犠牲が出ているラクイラ。そのラクイラで、今先進7ヶ国+ロシア+新興国の拡大サミットが始まった。多分、瓦礫の下には、埋もれた人もいるだろうに、先進国だとか、新興国だとか20世紀後半の戦後を引きずった会議が、「地球のため」?に行われている。復興に金がかかるから、一緒にやってしまえ的発想は、大胆かつ狂気的だ。片や巷では、相も変わらぬ自己欲望解放の為のほとんど意味不明の放火殺人などが、引きも切らずおこり、さしずめ、国の為に大量に殺人する戦争にどこか似た、リテール(個人的)戦争状態の巷ではある。「無差別」という共通項。「個」を無死し、犬死に追いやる共通項。一体人間はどうなってしまったのか、そして今後どうなって行くのだろう。遠い子どもの頃の平和な日本。ハス畑にヤンマを負うのどかな時代を過ごした私には、ブタ(正確にはトリブタヒト)インフル以上に到底信じがたい現代の疫ではある。その事を直接考えるのは、あまりに苦痛でシンドイことなので、今回は、「人類の起源はどこに」というテーマを考えてみることで代用したい。それと、遺伝子の引用というかパクリだけど、これは、Tom Strachanさんたちが書いたものを松村先生たちが和訳した、「ヒトの分子遺伝学」第3版から取っている。ちょっと免疫が好きな人は、読んでみることをぜひお勧めするよ。内容はほとんど分からなくても、一行一行に感激すること間違いない。
さて、ミトコンドリアというものをご存知だろうか。アメーバなどの原核細胞に対して、脊椎動物などの進化した動物は、細胞膜で囲まれた核をもつ細胞が、その構成単位である。その細胞(真核細胞といわれる)は、電子顕微鏡などで見ると、様々に機能分化したいくつかの器官を持つ精巧な工場のような構造だ。その工場で、活発に活動するエネルギーは、ATPという燐化合物から放出された化学エネルギーを使う。このATPを 酸素を取り込んで作るのがのミトコンドリアことミトちゃんである。このミトちゃん、核のDNAとは別の輪状のDNAを持っていて、細胞核のDNAに対してミトだからmtDNAと呼ばれている。ミトちゃんのDNAは、あるばい菌のDNAそのものが由来らしいがはっきりしない。そのmtDNAの遺伝子が、いつ組み込まれたかをたどっていくと、どうなるか。mtDNAはほとんど変異がなく、かつ母親由来なことが分かっているので、最後は、共通祖先(これをブドウ球菌のMRSAならぬMRCAというらしい)にたどりつく。つまりは、そのmtDNAの共通祖先こそが、聖書のアダムとイブに例えて「ミトコンドリアイブ」。こういう解析法を合祖解析という。たどりついたこのイブこそが、人類共通の祖先という訳だ。同様に、ヒトの男性染色体であるY染色体。その構成する塩基数が、女性染色体Xよりも極端にすくなく、突然変異も少ないから、同様に合祖解析すると、Y染色体アダムにたどり着く。ただし、このアダムとmtDNAのイブは同じ時代とは限らないらしい。話を簡単にするために、まずは、ミトコンドリアイブを一応ヒトの祖先としよう。
アフリカ人が単一のヒト祖先かそれとも地勢的に各地域毎に祖先が進化して現代人になったかは、結論が出ていないが、mtDNAのMRCAの解析では、ヒトの祖先は、アフリカにいたことになるようだ。ヒトの遺伝子群をこのmtDNAの系統樹から負うと、

  1. サハラ以南のアフリカ人
  2. サハラのアフリカ人+ユーラシア人(ヨーロッパ人、中東人、中央および南アジア人)
  3. 東アジア人
  4. アメリカ原住民、
  5. オセアニア人
の5つの系統に分かれるようだ。これは地勢的なものを考慮しないで決めたので、地勢とも一致する点が興味深いが、では同地域の2人の遺伝子の差異は、他地域のヒトとの差異の4%高いだけのようである。これが大した違いなのか、大した違いでないのかは、考えようだ。ともかくも、ミトちゃんイブは、400万年前エチオピア、タンザニアなどに居たアウストラロピテクスのなかに居た。その後100万年前後に直立猿人(ホモエレクトゥス)が出現。ここから、解剖学的な現代人(ホモサピエンス・サピエンス)ことサピサピちゃんが12万年前ごろに出現したが、その後の8ー9万年は、分岐したネアンデルタレンシスと共存していたことになるらしい。このネアンデルタール人は、約3万年前に絶滅した。ネアンちゃんのmtDNAには、我々サピサピちゃんと違うDNAが含まれていて、合祖解析的には、ネアンちゃんと我々は約50万年前に分岐したことになるようだ。直立猿人からネアンちゃんまでが50万年。それから約40万年後の我々の祖先までになにが起こったのだろう。ロマンではある。
さて、このアフリカ単一起源説からすれば、日本列島に祖先がやってきたのは3万年前ということになる。そこまでの経路は、アナトリア半島(トルコのある半島)の西外れから中央アジアを渡り、朝鮮半島を南下したことになる。同じ時期には、シベリアモンゴル地域インドネシアミクロネシア、アラスカ当たりに「入植」したようだ。ヨーロッパ人はそれより1万年前に入植したようだが、DNA解析からは、スカンジナビア半島とかバルカン半島からイタリアへは1万年前に入植したようで、同じラテン語族のスペイン人の祖先(4万年前組)とイタリア人の祖先(一万年前組)の間に3万年も開きがあるのが興味深い。見た目はあまり変わらない気もするが。
しかしながら、面白いことに、こういう事実も地道な遺伝子解析から分かっている。。。皆さんも、他の霊長類が気になるだろう。われらが友達天才パン君。賢いチンパン君だが、ネアンデルタール人とサピサピ人のmtDNAの違い(各々の集団中の個人差のこと)の約2倍の差がチンパン君とはあるようなので、あんなに賢いチンパン君も、確かに、人間と別物のようだ。見た目は違うが私にはあまり変わらない気がするが。
個々の遺伝子間の差で言ってみる。例えば免疫寛容遺伝子(自分と非自分の違いを区別する遺伝子)の人間版のHLA遺伝子を例にとる。このうちのDRB1遺伝子という移植などにタイピング(適合性)を調べたりする遺伝子群とチンパン君のそれ(Patr-DRB1)を比べると、我々の個体差より、少ない違いしかないことが分かっている。じゃあ、そもそも個体差(これに関しては種差も含むけど)とは何だろう。、もともと生物間の遺伝子の違いは進化論的に「DNAの配列の違い」よりは、DNA配列の「重複」、つまり、コピーの数の違いの方が大きい事が分かっている。子孫に伝える場合だろうと重要な書類だろうと、紛失はこまるからコピーするよね。出来たコピーは同じな訳だから、異なる生物で同じ配列の部分は、共通祖先のコピー(オーソログ遺伝子と呼ばれる)と考えられ、これが、遺伝子上の種差とすれば、この種差が個体差より、より少ない時は、人間同士、チンパン同士よりも前に人間とチンパンが今日祖先が居たことが分かる事になる。  
そうすると、これらの事実からはイタリア人とスペイン人は、同じサピサピちゃんだけど、腎臓の移植をするときは、ある免疫寛容の対立遺伝子(ヒトとかの遺伝子は父さんと母さんからのペアだから、同じ働きをする遺伝子の群で同じ筈の遺伝子どうし。違いがあるとすれば、突然変異だよね)を見れば、(つまり、「型があうあわない」を考えれば、の意味)チンパンちゃんの遺伝子の方が近かったりすることも推測される訳で、「人間皆兄弟」を言う前に、遺伝子的に見れば、「生物みな兄弟」なのである。それに、、、新約聖書のそれぞれの使徒の書の冒頭あたりに、キリストに至る人々の名前が、羅列して書いてある部分が思い浮かぶが、もともとは、ある有機体が、命をもち、その命が遺伝子という情報で伝えられてきた訳だから、もとを正せば、世界の動植物全てが、一つの細胞に行き当たる親戚筋なわけじゃないか。だから種差は、突然変異で、その生物の為になる自然に選択された違いが残ったものであり、「進化」である。個の森厳なる事実。つまり、その祖先をたどれば、みんな同じだよ!という事実を忘れたくないね。だからこそ、それが、共存することにも、ヒトトリブタインフルのように、「敵対する」ことにも繋がってくる。ヒトと細菌は、だから、それが共存しているときは「共棲している」といい、相互不干渉で、尊重し合うじゃないか。なのに、ヒトとヒト(さっきのmtDNA系統樹からはほぼ同じ遺伝子群の人々。まー、アメリカ兵には、その5つともありうるけど、だいたいそうだよね)が殺しあう中東地域。言ってみれば、10万年前に入植したサピサピちゃんのイラク人と3万ー4万年前に入植したアメリカ人が殺しあっている現実。なんとおろかな事じゃ。そのニッチ(隙間)をついてブタトリヒトインフルは、そのどちらもやっつけようと、ヒトが殺しあって免疫下がるのを狙っているという訳だ。
。。。うーん、いやはや、これは混沌とするのも無理からぬ、というか敵が違ってないか、麻生さん。
その麻生さんが国会で「ア、ソウ」、なーんちゃって! ばっか野郎、分けも分からず死んでいく人の身にもなってみろって。だってせっかく生まれてきたんだぞ!一緒懸命瓦礫の下から人救い出せるんなら、屁こいて会議なんかやってんじゃねえ、武器捨てちまえ!簡単だぞ、捨てりゃいいんだ。あー。ナンカ切れた!(090710)