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sent31-0810162310/恐慌の足音(0810) ......

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 いよいよ、世界恐慌が近づいてきた感があるこの秋この頃です。今日、あの80年代後半のバブルの崩壊や2005年の小泉内閣の末期以来の10000円割れを起こした株式。先週の新聞一面に載ったアメリカの公的資金注入のニュースに次ぐ、なんと下院の同法案の否決と修正案の可決のドタバタの後だけに、ニュース的新鮮味には欠けたが、バブルの崩壊時のブラックマンデー以上の悪い状態であることには変わりないのです。しかもその認識が、世界中に欠けている。この緊張感のなさ。おそらく故意に、本当のショックが薄められていると感じているのは私だけではないでしょう。 
 その昔、折からWindowsが出てきて、NECが採用するとかしないとか話題になったりした事がありました。当時すでにMacを使っていたのであまり気にしてもいなかった私ですが、石油、土地値段、経済の沸騰、株価の急上昇、インフレ、Windowsの台頭等など、「土地」という文字を「サブプライム」に置き換えれば、このあたりの状況は、当時にたいそう良く似ている、と思います。あのころは、「日本ちゃん、オレンジ牛肉、こまるよー、しっかりして。助けるから」見たいな欧米の反応に、ひどく頭に来た覚えがあるのですが、今日の混乱は、その中にしっかり巻き込まれながらも、「ソーレミタコトカイ!」と言いたくなるような状況ではあります。お兄さん顔をして、当時日本の政策の稚拙を憐れんだアメリカ発のバブルの崩壊ではありますね。特に、訂正再提出後の、金融法案を知ってか知らずか、やけにのんびり実行する様をみては、日本政府の右往左往や、金融政策、銀行の自己資本比率の低さ、企業の収益率の低さなどを後進国呼ばわりした彼の国の、議会やホワイトハウスは、日本のドタバタよりもっと恥ずかしい「酔っ払いオッサンの千鳥足」。ここに来て、前にも書いた事ですが、日本は、デフレを脱した経験をもつ、現時点(つまりまだG7の時代という意味)の経済世界で唯一の国だから、ここは落ち着いて対処したいものです。でもこれは、時宜を失してもよいと言うことではありません。この点、ヨーロッパは思いのほか迅速なようです。ただ、、主要な銀行に資本注入しただけで、事態が好転すると思い込んでいるとすれば、甘いと思います。
 この状況の震源となったサブプライムの問題自体は、規模(損をした金額という意味ではなく、経済という母集団における、サブプライム問題の比率という意味)からするとむしろ大したことではない。信託の元本割れ程度の意味しかない、と思うのです。もともとアメリカ合衆国一国の低所得者層への住宅資金貸付の焦げ付きなのだから、国内事情であるはずですし。日本のそれも、基本的には、土地の価値を絶対視することによる貸し余りの清算という問題だったはずです。金そのものよりむしろ集団心理だと思うのです。当時、土地を担保に銀行が金を貸し、企業やその従業員がひどく潤うことでどんどん上がる物価を上回った利潤が、人間の誠実さを麻痺させた。コンピュータ取引が始まり、瞬時に数ヶ月先の先物株を現時点でのマネーに平気で置き換えて売買させたツケだったのです。もともとないはずの金を株価の人為的操作で生み出した錬金術。それプラス、当時、どんどんネット化されていき、「インターネット」が合言葉だったコンピュータ社会の到来が、消費者心理の増長に一役買ったと思います。Mac使いとしては、Windowsがすべて悪い、と簡単にくくって人と話したものでしたが。。。まあ、私もそれで、夜逃げをしたのですけども。おおおおー。
 そして、巷で声を大にして囁かれる様に、この時から現在までの日本の「バブル崩壊」の教訓がまったく活かされないで、二の舞状態の現況は、凄いですよね。インターネットの普及のおかげで、素人も玄人もどんどん株に手をだし、個人レベルでも、昨日2億損したから、今日はうまくA石油の株売って3億もうけてトントンだね、的に暮らせる奴がいるなんて、なーんて世の中だぁ?。指が変形するほどコンピュータに毎日まいにち埋まっている、この私めが言うのもヘンではあるが、コンピュータが作り出したバーチャルなCP(コマーシャルペーパーにあらず、Computer Prime、コンピュータプライム、まあ、コンピュータ君の入れ知恵、風の解釈?)に、人間さまがついていけなくなった結果の恐慌が、起こりかかっている実感があるのであります。現実、どう考えても、月手取り18万位の若者が、コンピュータもっているだけで、人件費や税金に足を取られたりせずに、苦労もなく短期間に数億儲けたり出きるはずがないし、ましてや、たった一日で2億損しても、首吊りせずに、翌朝取り返すなんてことが出来るはずがないじゃないですか。そういう生活をテレビで紹介されて、「ホウ!」とか感心したり羨ましがったり。これは、どう考えてもバーチャルな世界です。そのバーチャルな感じが、「実感の喪失」を生みだし、これほどの恐慌が起こっていても、生活に影響が直接でないのでは、と思っちゃいます。20世紀初めに、こんなことが起こり、世界が、アメリカの議会の身勝手を見せつけられていたら、とっくに戦争になっている筈ですよね。ですからバーチャルなのです。
 そして、バーチャルの意味も「ちょっと一言」でなんどもご紹介しましたが、それは「実体はないがパワーをもつ」という意味です。これこそが、この恐慌を正確に表現していると思います。  では、現実はというと何なのでしょう。石油は底を尽きます。代替の燃料はまだありません。アメリカの力は、経済、軍事ともに落ちています。アラブの国の方がお金もあり、力もあります。人口は減らずに食料が逼迫しています。ブラジル、ロシア、中国、インドなどの国は、国力を増しましたが、先進国並みのエコはまだ出来ませんから燃料も汚水も垂れ流しです。国々の争いは続き、どんどんお金が消費されていき、いつまでたっても人が鉄砲で無駄死にをしています。  答えは見えています。ちょうどバブルの時期の直前ごろに我が愛用のBSDがUnix枝別れしてきた訳ですが、MacにしてもWindowsにしてもちょうどその頃出来た訳です。日本のバブル時代敬愛するジョブス氏がAppleを追い出され、それが終わる頃に返り咲く訳ですが、そのころ今のBSDやLinuxの土台となる新しいノートン型(0と1だけのパソコン)が確立します。おそらくこれ以上には進歩が難しく、むしろ知識を整理し、簡潔にして、細分化したノウハウを人間に使いやすい様に統合するでしょう。むしろニューロンを土台とした計算や、化学変化を土台にした計算など別の方法が台頭することになるでしょうが、これも、センサで入った数値を計算した結果を出力するという、お決まりの方法を取る限り、0,1法より進歩することはないでしょう。わたしは、ジェットエンジン、電気モータではなく、レシプロエンジンの車しか使わない20世紀型人間ですが、BSDのパソコンがMacやWindowsより使いやすいのは、世界中の人々の知恵を集めて苦労しながら作ったシステムだからです。また、ジョブス氏は、当時から頑固に、まず、ものを売って得られたお金でものをかう、現金決済以外しないのは、この世界では有名な話です。新しい事をするために儲け、これで、ものを作る。それを取引先に売るときに、現金じゃないと売らないとしたら、買う方は困りものです。儲けを当て込んでうったり、促販を仕掛けたりに限度あるし、ましてや、売れずに返品も効きませんし。この21世紀に、電子マネーが飛び交う時代、しかもその先端をいくMacが現金決済しかしないのは、とても面白い事です。コンピュータをもっとも知っている男は、その欠点もしっかり知っているのでしょう。私はひどく困った時以外、オークションをしません。それは、売った方の希望する価格も買う方の希望する価格も実体でないし、標準の価格でもないです。標準の価格は複数の人々が決めるから標準です。しかもそこに、時間や操作のバイアスが入る事を許容するシステムです。自分で納得する価格で買える、という喜びは実は、virtual realityによって、もたらされています。ネットオークションの罠は、そのまま現在のバブルの姿そのものだと思います。
 世の中で信じられるのはお金だと思っている皆さん、実はそれは正しいのです。世の中は、人の共存で成り立つと思っている皆さん、実はそれは正しいのです。つまり、人の共存で得た知識でお金を儲ける。これが解決法の唯一です。一度はウオール街のセイにした人たちが居る。うまく言っている時はウオール街をおらがアメリカだと信じた人たちの含みます。裏切られたといって、議員たちに陳情したから、下院での法案否決なんてことが起こったのでしょう。でも一度は、かれらのほとんどが自分たちの力をウオール街にダブらせた事でしょうね。都合が良すぎますよね。自分たちのツケは自分たちの税金で払うしかないでしょう。自分は「自分たち」とは違うから、一緒にするな、というのも虫のよい話です。社会とは、「自分たち」なのですから。そういうものですから。たとえ、自分が造反因子だとしても、税金のつけは回ってきますし。それで、日本でもそうなりました。そして私は会社を失いました。
 武器商人と株の時代は、取扱いに分厚いマニュアルを読ませるコンピュータと一緒に終わりを告げるのです。それと、一人一人が、正しく判断したら、それが理屈だと思ったらそう実行する強さを持つことでしょう。自分が造反因子だとしても、税金のつけは回ってきます、と言いました。これはそういう意味でもあります。そうならないためには、一人一人が、有言実行する理性を獲得し、人を踏みつけてあるいは武器をもって、人を支配しないで、自己実現する方法を真面目に模索する事なのではないでしょうか。  そうです。恐慌は目の前です。早く改心しないとそれこそとんでもないことになるでしょう。(081009)